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〔世の中を見る目(1)〕 ―清水義範の「半村良クロニクル」(9)

常に世の中を観察し、思いがけない発見をいっぱいしちゃう人だった。たとえば北海道に住んでいた時、私にこんな話をしてくれた。「朝の散歩が習慣になってるからさ、こっちでもするわけよ。ところが一人で歩いてると、車道を走ってる車がスーッと速度を落としてこっちを観察すんのよ。どの車もみんなそうするの。つまり、ここじゃあ朝一人で歩いてると寒さで死ぬことあるんだよね。何か困っているのかな、と心配して注意してくれるんだ。おれ、北海道じゃ冬の散歩はしちゃいけないなって思っちゃった」

清水義範

1947年愛知県名古屋市生まれ。中学時代からSFファンで、半村良氏の面識を得て上京する。1988年「国語入試問題必勝法」で吉川英治文学新人賞受賞。近作は「夫婦で行くイスラムの国々」や西原理恵子と共著(イラスト)の「学校よりおもしろい社会」など多数。
ファンサイトは「永遠の清水義範

戦国自衛隊/G.I.SAMURAI

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