〔酒の飲み方〕 ―清水義範の「半村良クロニクル」(8)

洋酒の中ではワインが好きだった。その理由を、「ワインは光をいっぱいあびたブドウから作るんだよ。ウイスキーなんて、寒いところでやっと育った麦から作るんだもん。ワインのほうが豊かでうまいに決まってるじゃん」と言っていた。

私と一緒に飲む頃は大のベテランで酔いつぶれるようなところを見たことがない。

バーなどで飲んで最も印象的なのは、客である同業者や編集者の仲間という感じではなく、カウンターの内側の人、つまり店側の人とお仲間の感じになっちゃうことだった。あの感じでバーにいられる人は、ほかに見たことがない。

清水義範

1947年愛知県名古屋市生まれ。中学時代からSFファンで、半村良氏の面識を得て上京する。1988年「国語入試問題必勝法」で吉川英治文学新人賞受賞。近作は「夫婦で行くイスラムの国々」や西原理恵子と共著（イラスト）の「学校よりおもしろい社会」など多数。
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