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- 〔吉川英治新人賞のこと(2)〕 ―清水義範の「半村良クロニクル」(24)
〔吉川英治新人賞のこと(2)〕 ―清水義範の「半村良クロニクル」(24)
半村さんは、こう言ったのだそうだ。「この子は私のところの子で、この作品はちょっと弱いので受賞させないで下さい」その話をきいて私は景山さんのところへ行き、「私はあんたに負けて落ちたんだって」と言った。景山さんは面白がり、「どうだ、くやしいだろう」とギャグを言った。その翌年に私は「国語入試問題必勝法」でその賞を取ったのだが、その選考委員会で、「清水にこの賞をやらないならおれは選考委員をおりる」とまで言って下さったのが野坂昭如先生である。半村さんは、自分の子が賞をもらうかのように、どうもどうも、と恐縮していたそうだ。
清水義範の「半村良クロニクル」
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